日本国憲法の心
人はなぜ絵を描くのか、人はなぜ文化を残すのか、人と動物の違いは何か、人間にとって幸せとは何か。
私は常々そのあたりを問うて作品を創っている。その創作思考の先は原点に行き着く。
全ての人の足元に当たり前にある原点、人が幸せになる方法とルールが記された『憲法』をモチーフに、右からでも左からでもなく、現代に生きる私達の足元を見つめて、全ての条文を絵描きの視点と思考で、丸五年(2006〜2011年)がかりで絵画に表現してみた。
憲法前文三部作
憲法条文の心
第57条【会議の公開、会議録、表決の記載】
第57条【会議の公開、会議録、表決の記載】 Title:食う ふたりの少年が食っている。 [...]
第58条【役員の選任、議院規則、懲罰】
第58条【役員の選任、議院規則、懲罰】 Title:公園 木々がひっそりと身を寄せるようにあるところ。 [...]
第60条【衆議院の予算先議と優越】
第60条【衆議院の予算先議と優越】 Title:日を食う 雲の上では、何十年に一度という日食が起きている。 [...]
第61条【条約の国会承認と衆議院の優越】
第61条【条約の国会承認と衆議院の優越】 Title:涙 一滴の涙も、波立つ大海の大水も、元も元は同質である。 [...]
第65条【行政権と内閣】
第五章 内閣 第65条【行政権と内閣】 Title:ダム この塞き止められた巨大な壁の向こうには、いかほどの水量があるのだろうか。 [...]
第67条【内閣総理大臣の指名、衆議院の優越】
第67条【内閣総理大臣の指名、衆議院の優越】 Title:梯子 梯子に登った男が煙の火元を探している。 [...]
第68条【国務大臣の任免】
第68条【国務大臣の任免】 Title:鳥瞰植穫図 約半数が田植えをし、約半数が収穫に労してしている。 [...]
第69条【衆議院の内閣不信任】
第69条【衆議院の内閣不信任】 Title:松 この松は、ある意味自然に逆らい、長い年月を経て今の姿を誇っている。 [...]
第70条【内閣総理大臣の欠缺(けんけつ)又は総選挙後の総辞職】
第70条【内閣総理大臣の欠缺(けんけつ)又は総選挙後の総辞職】 Title:雪山 葉が落ち、枝をむき出しにした冬の木々に白い雪が降る。 [...]
第71条【総辞職後の内閣の職務】
第71条【総辞職後の内閣の職務】 Title:海岸沿いの黒い壁 海岸沿いの集落には、長年の潮風にもまれ、そのなかに生活が染み込んだ独特の存在感をもった壁がある。 [...]