F100号(162×130.3㎝)
2010年作
私たち人間は、日々の生活、営みを、より豊かにしたいと太古より常々願い、その実現と、あくなき欲望追求の歴史をもつ。
例えば山があれば、そこにトンネルを掘り、向こうの世界と繋ごうとする。
いかに膨大な労力を伴おうとも、その新たな世界に豊さを求めることができる。
しかし、その穴によって繋がれた世界にも、その世界側の豊さを求める欲望とも繋がってしまう。
ならば、例えばトンネルを掘らず、険しい山々を徒歩で越えてこそ得られる、守られる豊さもあることに、実は人類は気付いてもいる。
人間は、何と繋がりを持ち続けるべきなのかを、人間の歴史は常々問いかけている。