F200号(194×259㎝)
2009年作
憲法前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
~日本国憲法前文、第一段落より~
憲法前文第一段落に「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」とあります。
私たちは日本という美しい国土に生を受け、太古より日々粛々と生への営みを繰り返してきました。それは極単純に、朝、日が昇り、大地と向き合い労を重ね、月夜に眠るという当たり前の日々であったはずです。そして、春夏秋冬それぞれの季節に逆らわず、四季それぞれの彩りに溶け込んできました。
憲法前文冒頭に掲げられた精神は、日本人の本質に触れた、子孫将来への願いが込められているように思います。
年の始めや物事の始まりを大切にする私たち日本人は、その年の収穫を祈念して、皆が心をひとつにして宴がひらかれます。純粋な心でひとときの宴を楽しんでいるこの「日月祭田図」には、中央で白い煙がゆるやかに天へと昇っています。日も月も川も、そして煙も自然界の理屈では、質量保存の法則にもあるように、全てがひとつとなり、生へ営みを支えているとも考えられないでしょうか。
豊かな大地と自然に恵まれた国土に暮す私たち日本人は、極自然体でその精神を世界に訴えることが出来るのではないでしょうか。そのことは憲法前文末の一文にも謳われています。
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