2020年、映画「かぞくわり」の全国上映がひと段落して間もなくコロナ禍となる。
出展予定だったアートフェアや個展が次々と中止になり、そのころ多数の講座を担当していた絵画教室も休校となった。
その結果、膨大な時間をアトリエで過ごせることとなり、他人と接種しない野外現場でのドローイング取材にも気兼ねなく出かけられたことで、改めて描ける喜びと画家としての幸せを実感する。
コロナ前の時間に追われた制作とは違い、コロナ禍ではじっくりと下地作りをして今まで以上に層を重ねる表現となり作品が充実していく。
2022年にほとんどの講師仕事を辞し、作品制作に専念。皮肉にもコロナ禍によって高校時代から夢見てきた絵ばかり描ける生活となり、目指していた本格的な画家となる。