Profile

これから

2023年以降、今まで以上に個展やアートフェアに出展するようになった。思えば幼少期に絵を描くことで自己の精神を保とうとしていた原体験が、「本当の幸せ」を現代社会に生きるひとりの画家として表現しようとすることに繋がっているように感じる。

「すべての足元には土がある、だから私は土から描く」スタイルは、当たり前の真実を追究することですべての生き物にとって大切な何かを訴求できると信じている。

ここ数年は土の上で一万年以上も争わず幸せに暮らしたであろう縄文時代に興味がある。その暮らしに戻すことは出来ないと思うが、彼らの思考や価値観が日本人の遺伝子に受け継がれているとしたら、それを炙り出すような表現をしてみたい。

奈良の田舎のアトリエで、日々土から育てるように油絵具をひたすらに重ねて描いている。本当の幸せとは何か、一筆一筆考えながら。

2025年8月 弓手研平

04_15F_弓手研平_イカヅチと雲海の上の富士と日_2025_T